版画制作において、インクをきれいにのばすための「ローラー」は欠かせない道具の一つです。
しかし、一口にローラーといっても素材やサイズ、硬さ、持ち手の形状など種類が多く、
「どれを選んだらいいの?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、
これからガリ版版画を始めたい初心者の方や、
道具の買い替えを考えている方に向けて、
「ガリ版版画用ローラーの選び方」をわかりやすく解説します。
1. 版画用ローラーとは?
版画用ローラーは、インクを版の表面に均一に塗布するための道具です。
木版画やリノカット、銅版画(凹版)など、版の種類や技法によって使い方や選ぶべきローラーのタイプが異なります。
ローラーの質や大きさ、材質によって作品の仕上がりが大きく変わるため、制作スタイルに合ったものを選ぶことがとても重要です。
2.ガリ版に向くローラーは?
ガリ版用のローラーは必ず軟質のゴムローラーを選びましょう。
一般的に流通しているゴムローラーは硬質が多いので注意が必要です。
硬度15度がガリ版には最適なローラーです。
後藤ガリ版印刷所の予約販売にて手に入れることができます。
硬度20°でも使うことができますが
少し固すぎて力をより入れなければ印刷がうまくいかない印象でした。
硬度20°のローラーは中島革ゴムローラー製作所さまで手に入れることができます。
またオークション等にもガリ版用のローラーが出ていることがあります。
表面がぼそぼそと荒れているものは
使えない可能性が高いので、
写真をよく見て表面がなめらかできれいなものを選ぶようにしましょう。
3. サイズの選び方
ローラーの幅はだいたい5cm~30cm程度まであります。用途や作品サイズに応じて、適切なものを選びましょう。
◆ローラー幅 主な用途◆
5~8cm 小さな作品、細部の修正用、持ち運び用
10~15cm 汎用的なサイズ、初心者にも最適
20cm以上 大きな版画やポスター、広い面積を一気に刷るときに便利
作りたい作品の幅+2㎝の物を選びましょう。
ローラーの端の方はうまく印刷ができずかすれることが多いのです。。。

5. ローラーの手入れと保管方法
良いローラーを長く使うには、手入れが欠かせません。
①使用後すぐに専用クリーナーで洗いましょう。
灯油または油絵具用筆洗液できれいになります。
②直射日光を避ける
ゴムが劣化してひび割れの原因になります。
③吊るして保管 or 台に置く
接地面にゴムがついたままだと変形のもとに。
私は棚にS字フックでつるしています。
