ガリ版で版画をつくる際、私が多用している還元法の技法を紹介します。
還元法とは一度製版したロウ原紙のロウを埋め戻す技法。
黒い空に浮かぶ星などを描くときに使います。
味わい深い風合いになる大好きな技法です。
STEP1 ガリ版で面つぶし

まずは鉄ヤスリでガリガリとつぶし製版をおこないます。
製版のやりかたはこちらのページをご覧ください。
完了したらそーっと鉄ヤスリからはがし、
下敷きなど平らなものの上に置きます。
STEP2 埋め戻し
今回は3つの方法を実験してみます。
①描圧還元法

面つぶしをおこなったロウ原紙に
もう1枚ロウ原紙を重ねます。

上からヘラ型の鉄筆でこすります。

上のように少し色が変わったら、
そーっと上に重ねたロウ原紙をはがし完了です。
②コピック

書籍でコピックで埋め戻しができるという記述を読みました。
コピックとは漫画のカラーに使われる画材です。

面つぶしをしたロウ原紙をコピックで上から塗ったら完了です。
③蛍光ペン

コピックがいいなら蛍光ペンはどうかな?と試してみることにしました。

コピック同様蛍光ペンで塗って完了です。
ガリ版印刷結果

製版が完了したロウ原紙を印刷機にセットして通常どおり印刷します。
印刷のやり方はこちらのページをご覧ください。
薄く印刷

描圧と蛍光ペンははっきりと白く丸がみえます。
うまくインクを防ぐことができているようです。
コピックはグレーに印刷されました。
濃く印刷

描圧と蛍光ペンは薄く印刷したときと変わりない結果に。
コピックは完全に黒く印刷されてしまいました。
版画・イラスト制作例
還元法の風合いはイラストや版画を作る際にぴったりの技法です。

こちらのネコの毛並みは一度塗りつぶし製版をおこなったあと
描圧還元法を使って表現しています。
