ガリ版で文字を印刷する。~基本編~ガリ版のやり方 / 2021年9月11日 ガリ版で文字を印刷する方法を紹介します。昭和24年発行の「謄写印刷初等教本」を参考に、私なりに実践し、生み出した方法です。この教本は全編ガリ版印刷です。ガリ版の製版の方法や道具のメンテナンスについて学ぶことができるオススメの本です。私はヤフオクで700円くらいでゲットしました! 表紙もガリ版です・・・人間ワザじゃない・・・◆準備編~文字を彫る道具~◆①ロウ原紙 マス目の入ったロウ原紙を使います。小文字用のものや少し大き目の文字用のものなどいろいろな種類があります。②鉄ヤスリ 文字の大きさによって使う鉄やすりの種類が変わります。小文字(~12pt)→XCまたは方C中~大文字(13pt~)→XBまたは方BBよりもCのほうが細かく溝が彫られています。小文字は細かい溝のヤスリを使った方がキレイに製版できます。 ヤスリの種類は上図のように端っこに小さく彫られています。こちらはXBの鉄やすりですね。③鉄筆文字の大きさに合わせて鉄筆を選びます。私は~8pt テーパレス鉄筆の細いほう 9pt~ テーパレス鉄筆の太いほうを使っています。 テーパレス鉄筆20pt以上の文字や太線の文字は太字用の鉄筆とテーパレス鉄筆を併用します。 太字用鉄筆◆実践編~ガリ版で文字を印刷しよう!~◆ ①ゴシック体ゴシック体を彫るときは方Bまたは方Cの鉄やすりを使います。名前の最初に「方」の字が入っているヤスリは表面に溝がタテヨコに刻まれています。(下図参照)直線を溝に沿ってまっすぐに彫ることが出来るので、ゴシック体にぴったりのヤスリです。 鉄やすりの上に方眼ロウ原紙を貼り付けます。溝と平行垂直にマス目が合うように貼り付けましょう。 カタカナを彫ってみましょう。アイウエオとマス目にきれいにおさまるようにバランスよく彫ります。溝に沿って、タテヨコの線はすっとキレイにひけると思います。ナナメの線は少し難しいですが、ゆっくりと焦らずにひきましょう。 ②明朝体明朝体で使用するヤスリはXBかXCです。名前の最初に「X」が入ったヤスリは斜めに溝が刻まれています。(下図参照) 彫り始めは打ち込みを入れます。下図の○の箇所に打ち込みをします。 ヤスリの溝を少し外れた角度で線を彫ると、細く繊細な線を彫ることができます。これを打ち込みとして利用します。では早速彫ってみましょう。カタカナの「ア」を彫ってみます。まずは打ち込みから横線を彫ります。 ①横線を彫る次に斜め下から線を彫ります。角の部分を太くして抑揚をつけたいので、終わりの部分は小さくUターンします。 ②下から線を彫り、角の部分でUターンする。横線を彫るのが難しく、ゆがみやすいので力を入れすぎず急がず彫りましょう。練習を重ねることで段々きれいに彫れるようになりますので、あきらめず気長に取り組みましょう。 ◆印刷してみよう!◆文字の印刷、とくに小文字は擦れやすいのでスクリーンを使用しないことが多いです。 インクをローラーにつけ、一気に刷ります。ローラーの幅は彫った文章がすっぽりおさまるものを選びましょう。出来ました! 製版結果 印刷結果◆文字製版難易度◆1番難しいのは小文字(12pt以下)です。形をコントロールするのが非常に難しい!種類別ではひらがな→漢字→アルファベット→カタカナの順に難易度が高いです。曲線の多いひらがなはキレイに線をコントロールして彫るのに苦戦すると思います。。。以上、文字の製版基本編でした。次回はパソコンを利用した文字の製版方法を紹介します!現代の技術を使うことでさらにきれいに文字を印刷することができますよ。ガリ版をやってみたい!と思った方はぜひ後藤ガリ版印刷所のワークショップや教室に足を運んでみてくださいね。お待ちしています♪電子書籍 ガリ版基本のやり方販売中! はじめてガリ版をやる方に向けて、最低限の知識をシンプルにまとめました。390円(税込) 購入はこちら
ピンバック: ガリ版で文字の印刷~応用編~ | 手刷り印刷屋「後藤ガリ版印刷所」